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…出会い的な、ね。
ぐだぐだ感がすごいですが、読んで頂けたなら嬉しいです。
『満月』
「おやじ、かけ一つ」
夜鳴き蕎麦、屋台備えの椅子に腰掛けながら土方は
白髪交じりの店主へとそう言った。
さほど時間を置かず来た蕎麦を啜っていると
「おんし、血の匂いがするのう」
席一個分隣に腰掛けていた男が手酌で呑みながら言った。
「…そりゃ、するだろうさ」
蕎麦を啜りながら男の方を見ずに言う土方に男は、アハハと笑った。
「流石に鬼の副長さんは、恐ろしいのう」
「おめぇ、何で…」
「そりゃ、知っちゅうよ。有名じゃき。…それに金時から話を聞くからのう」
「けっ、あいつの知り合いか」
「アハハ、一層眉間に皺がよっちゅうよ。で、副長さんよ。
…わしが血の匂いがするゆうたのは」
土方のわき腹へ視線を動かして
「おんしゃ、怪我してるって事なんけんど」
「おめぇにゃ、関係ないだろう」
「ゆうたってのう」
「うるせえ。大した傷じゃねえから、じきに血も止まる。
んな事より俺ぁ、腹減ってんだ」
…蕎麦ぁ食わせろ、と言う土方に男は
傷より蕎麦かあ、と一しきり笑った。
「邪魔はせんよ。…けど」
傷口に手を当てられて土方は、ばっと身を下げ男を睨み付けた。
睨まれてる事など、まったく意に介さず男は
何じゃ、結構深いじゃないかと、首に巻いていたマフラーを土方へと差し出した。
「これでも、巻いとけ。なんもないよりマシじゃろう」
「いらん世話だと、言っている」
「素直じゃないのう。金時に聞いたとうりじゃ」
「ふんっ」
「…そういう奴は、こうじゃ!」
すっと素早い動きで男は、土方との距離を詰めると
いきなり土方のわき腹をくすぐった。
「!!!なっ、何すんだ、てめえはっ…!!!やめっ・・・」
「やめちゃるき、大人しく手当てされやー」
わき腹にマフラーを巻いて、ちっと盛大に舌打ちを打ち、さっさと蕎麦を平らげた土方が
店主へと言った。
「おやじ、酒。燗で」
程なくして来た酒を、そのまま隣の男の前へと置く。
「これで借りは、ねえぞ」
金を机の上に置き、さっさと帰ろうとする土方の背に男の声が掛かった。
「副長さん、またの」
「…またがあって、たまるかよ」
「今度は一緒に酒ば呑もうなぁ」
「聞け!人の話を」
思わず振り返った土方に、にへーと笑いかけ男はへらへら手を振った。
眉間にぐっと皺を寄せ、踵を返して土方は帰って行った。
その背を見送りながら、愉しそうに酒を呑む男の頭上には
雲もない夜空に、まん丸の黄色い月が懸かっていた。
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で、この後坂本さんは銀時さんに
副長さん気に入った宣言をしに行くわけですよ。
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その時々に、萌えてるものを
吐き出してます。
マイナー嗜好。
チキン。
坂土が広がればいいと全力で思います。
関東圏の人間なので、坂本さんの言葉がいろいろおかしな事になってるかと思いますがスルーして頂けると助かります。
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