[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
坂土小話です。
『コントラスト』の坂本くんと土方くんです。
『チャリと月夜』
ーコントラスト2-
「じゃあな~、トシ気ぃつけて帰れよ」
「ああ、近藤さんもな」
「月の無い夜道にはお気をつけなせィよ、土方さん」
「…お前の場合、月夜だって危ないだろうが。
そんときゃ、返り討ちにしてやるよ。じゃあな」
剣道部の練習を終えて帰路につく。
辺りはすっかり日が暮れて濃紺一色になっていた。
ちりん、ちりん
「十四郎~。部活ご苦労さ~ん」
「ん?」
振り返ると其処には、チャリに跨りひらひらと手を振る辰馬が居た。
「辰馬。お前帰ったんじゃないのか?」
「うん、一旦帰ったが。これ取りに」
ちりんと自転車のベルを鳴らしへらっと笑った。
「何でわざわざ…」
「こないだ看病したちらった礼にな、ラーメン奢っちゃる。
美味い店見つけたちや。けど、ちっくと遠うてな。
…さあ、乗れ十四郎」
二人乗りで土手を走る。
目の前のでかい背中が風を防いでる所為か、あまり寒くない。
そのでかい背中越しに、調子の外れた鼻歌が聞こえてきた。
「風邪はもう平気か?」
「……ん~、多分なぁ」
「何だ、多分って」
「自分でも、よぉ~わからん」
「おいおい…。風邪菌の所為で少なかった脳細胞も
とうとう死に絶えたか。可哀想に」
「折角餃子もつけてやろうと思っちゅうがやき、
なしに……っおわっ!!」
きききっー!!!
「……っ」
「すっ、すまん十四郎!猫が横切っての、平気か?」
「…鼻が痛てぇ…」
「アハハハ、ちゃんとつかまらんからだ。
ほれ、ちゃんとわしにつかまっとき」
「…ちっ」
「ははっ、ぬくいのぉ十四郎は。よし、出発じゃ~」
再び、調子外れの鼻歌が聞こえ始めた。
「…なあ」
「ん~?」
「……いや…。何でもねぇ」
「んん??そうか~。おぉ、見事な満月じゃの」
「そうだな」
見事な満月の下
チャリは土手をひた走る。
言えない思いを乗せながら。
--------------------------------
放課後はラーメン@魔人。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
その時々に、萌えてるものを
吐き出してます。
マイナー嗜好。
チキン。
坂土が広がればいいと全力で思います。
関東圏の人間なので、坂本さんの言葉がいろいろおかしな事になってるかと思いますがスルーして頂けると助かります。
当サイトは非公式二次元サイトです。
原作者様、出版社様とは一切関係ございません。
拙いのもでは在りますが、著作権放棄しておりません。文章の無断転載はお断りいたします。
同人サイトさまに限りリンクフリーでございます。
ご連絡は特に必要ございませんが、頂けると小躍りして喜びます!
何か御座いましたらメルフォまで。
一言感想等お気軽にどうぞ!