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コントラスト続きです。
『その名は』
ーコントラスト3-
近頃、おかしい。
なにがって?
そりゃ、わしが。
このところ、十四郎ば見るとなんか、もよ~んと苦しい。
あの風邪の時から。
…いや、ひょっとするともっと前から…?
「…い、おい辰馬」
「…っ!!おっ、おう、十四郎!なっ、なんじゃ?」
「何だってお前…飯こぼしてるぞ…」
「うおおお~!制服が飯つぶまみれに…」
「ぼけっとしやがって。らしくねぇな」
「…らしくないかの?わし」
「何だか知らねぇが、お前みたいな脳細胞の少ない奴があれこれ
悩んでたってしょうがねぇだろうが。…そーいう奴は行動有るのみ
なんだよ」
「…行動のぅ…」
行動…。
箸を動かす十四郎の骨ばった、けれど白い手が目に入った。
「なぁ、十四郎ちょっと手ば貸して?」
「はぁ?手?…これでいいのか?」
箸を置いて右手をこちらへと差し出してくれた。
こういう素直なところ、可愛いんじゃ。
差し出された右手を取って、まず握手してみる。
「?…何してんだ?」
「んん?まあ、気にせんちょき」
今度は手の平を合わせてみる。
わしよりは若干小さいがちゃんと骨ばった男の手だ。
所々に豆やらたこやらがある。
「…ほっ、本当何してんだお前…?そんな硬い手面白くもなんとも
ないだろうが」
「まぁ、まぁ~」
…部活頑張っちゅうきになぁ。
そう思うと豆やらたこやらが、愛しい。
そして、指を絡ませてみた。
…恋人同士、手を繋ぐみたいに。
「…っ」
本当硬い手じゃ。…けど、なんか大切じゃ。
手の甲、筋張ったところをきゅっと撫でてみた。
「…っふ」
今なんか艶っぽい声が聞こえた気ぃが…。
十四郎の方ば見ると耳まで真っ赤で、繋いでる手も震えていた。
「なぁ…。十四郎もしかしてわしの事、好いちょる…?」
「…っ!!はっ、離せっ!」
「あっ、……行ってしもうた…」
食べかけの弁当そのままにして走り去ってしもうた。
しまったって顔ばしてたなぁ、十四郎…。
手、温かったなぁ…。
顔なんか真っ赤で、しかも震えて。
可愛い…。
ずきんっ
「あっ…。ああああ~~」
溢れ、溢れてくる、感情が。
おんしと共に馬鹿笑いしたり、一緒になんか食べたり。
ほがな些細な日常なのに、思い出されてしかたないきに。
付き合った女の子たちの事は全然思いだせんのに。
ああ、そうか…。
これが、恋か。
だとしたら、もうずっと十四郎しか見えてなかったんじゃの…。
ずきんずきんっ
心臓が煩いきに。
今きっと、さっきの十四郎ばりに真っ赤じゃ…。
思わずよろよろと、その場に倒れこんだ。
ずきんずきんずきんっ
…心臓は何時までも、煩い音をたて続けていた。
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ようやっと自覚な、にぶちん坂本さん。
人の事は聡いのにね。
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その時々に、萌えてるものを
吐き出してます。
マイナー嗜好。
チキン。
坂土が広がればいいと全力で思います。
関東圏の人間なので、坂本さんの言葉がいろいろおかしな事になってるかと思いますがスルーして頂けると助かります。
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