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「銀魂」坂土中心の二次元創作サイトです。 同人、女性向け、坂土なんてありえんだろう、という方はご遠慮ください。
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こばわ~、奈緒です。

なおっっったあああああああ~!!ネットがなおったよおおおおお。
うおおうう、嬉しい…!!
これで、毎日素敵サイトさまにいける…ッ!!

さて、桜小話です。
春でコピ本持って行ってくれた方には、再録で申し訳ないですが…!
高校生坂本さんと土方さんです。

では、ネットの海にダイブしてきます。


『始まりの春』


季節は春。
青い空と心地よい風と満開の桜と。
そんな絶好の入学式日和。
此処、銀魂高校も本日入学式を迎えた。
式開始まで後5分を切り、入学生徒は然り教師も
全て会場で、式が始まるのを待っている。

 


はずが。



学校の手前、桜満開の公園を真新しい制服を着込み
のんびりと歩を進めている人物が一人。



「いや~春眠暁を覚えずじゃ。寝過ぎてしもうた。
 こりゃ、遅刻じゃのう、アッハッハッ」



今日から銀魂高校一年、坂本辰馬その人である。


入学式だというのに、遅刻を全く意に介さないその足取りが、
一本の桜の木の前で、ふっと止まった。


「……んん?」


一際見事に咲いているその桜の下に、坂本と同じく真新しい銀魂高校の制服を来
た男子生徒が、一人立っていた。


黒く短めの髪に、切れ長の双眸。
手には牛乳パックを持ち、足元には薄汚れたダンボールが一つ。
その中から真っ黒い子猫が、にーにーと彼に向かって鳴いていた。


牛乳を入れた紙の皿を子猫の前へと置くと、
彼はしゃがみ込み美味いか?と笑う。


切れ長の、一見人を寄せ付けない涼しげな双眸が、色がついたかのように。


柔らかく、笑った。



「……っ」



瞬間、呆気に取られたかのように目を見開いた坂本だったが、直ぐさまにいっと
笑みを深くし彼と猫の元へと向かった。
まるで宝物を見つけた子供の様に、その表情は、きらきらとしていた。


「捨て猫かの?」


そう声を掛けると猫へと向けていた柔らかな表情を引っ込めて
彼は坂本を見やった。元に戻ってしまった表情を、少し残念に思いながら
坂本はにっと人好きのする笑顔を彼に向ける。
しばし無言で坂本のその笑顔を眺めていた彼だったが、まるで興味が
ないと言わんばかりに視線を猫へと戻した。
つれないと、内心坂本が思っていると、短く彼が返事をした。
視線は変わらず猫を見たままだったが。


「…ああ」


低く染み渡る様な声に気をよくした坂本は、彼のとなりに
彼と同じようにしゃがみ込んで猫を見た。


「夢中になって飲んでるのぅ」
「…腹減ってたんだろう」
「で、おんし入学式はいいかえ?」
「…そっちこそいいのかよ」
「んん?あれ、わし新入生だってゆうたっけ?」
「…新品の制服着てりゃ嫌でも分かる。そっちもそれで
 分かったんだろう?」
「そういえばそうじゃの。わしは寝坊してもうた。アハハハ」
「…変な奴」
「アハハハ。ほがな事ないろ~。おんしだって入学式に
 出ないで猫の世話してるやか」
「…目が合っちまったからな。そのままにしておく訳にもいかねぇだろ」


見て見ぬふりなど、いくらでも出来るだろうに。


「…不器用な奴じゃの」


小声で坂本が呟くと彼は、ようやく坂本の方へと視線を動かした。


「なんか言ったか?」
「いいや~。で、その猫どうするがか?」
「母親が動物アレルギーでな、飼えねぇ。けど、飼い主見つかるまで
 家で預かるさ」
「ふ~ん…。なら家に来るか?猫」


たらふくミルクを飲んで満足げに、毛を舐めていた猫を抱き上げ
坂本が言った。喉元を撫でると、ゴロゴロと気持ちよさげだ。


「お前…」
「家にもう二匹おるし。今更一匹増えたげに、どうって事ないきに。
 な~、靴下」
「…その靴下って何だ…」
「ん?猫の名前ちや。ほれ靴下履いちゅうみたいろう?」
「どんなセンスだよ。…やっぱり変な奴だな、お前」


ふっと、彼が坂本へと苦笑を零した。
ああ、こりゃ、ヤバイなぁ…と騒ぎ出した心臓とわずかに高くなった体温
を、感じながら坂本は思った。


惚れたのぅ、完璧に。


じりじりと胸を焦がす熱に少し焦りながら、けれどそれさえも楽しむように
坂本は彼へと笑顔を向けた。


「さて、学校行くか」
「そいつどうすんだよ?」
「ん?連れてくきに。事情話せば帰りまで預かってくれるろう」
「そんなもんか?」
「そんなもんさ~。あっ、そうじゃ。名前!」
「…猫のならさっき、変なの付けたろうが」
「違うて。おんしの」
「…俺の名前なんて聞いてどうすんだよ」
「どうするもなんも…まっこと大切な事じゅあ。わしにとって。
 …それに、靴下も知りたいってゆうてるよ」


なあ靴下、と黒猫に同意を求めると返事をするように、にーと一声鳴いた。
やき教えてと、黒猫と供に詰め寄ると彼は根負けしたように呟いた。


「…土方十四郎」
「わしは坂本辰馬じゃ。…よろしくの土方」

 


『靴下』と名づけられた猫は無事、帰宅まで教師が預かってくれる事になった。
もちろん、お説教付きで、だが。
そして、幸運な事に二人同じクラスで。
坂本は、『運命じゃ』と内心ガッツポーズをした。

そんな彼の春は、まだ始まったばかり。


 

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プロフィール
HN:
奈緒(なお)
性別:
女性
自己紹介:
銀魂坂土がいつまでも好き。
その時々に、萌えてるものを
吐き出してます。
マイナー嗜好。
チキン。
坂土が広がればいいと全力で思います。

関東圏の人間なので、坂本さんの言葉がいろいろおかしな事になってるかと思いますがスルーして頂けると助かります。

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