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原作設定です。
『春眠』
まだ、夜も開けきらぬ春の早朝。
「よう、眠っとる」
此処は土方私宅。
布団の中で、気持ち良さそうに十四郎は眠っていた。
すやすやと眠るその表情は、随分とあどけなく思わず笑みが零れる。
『桜が、咲いたぞ』
そんなメールをもらったのが、およそ一週間前。
普段メールなどめったに寄越さないのに、(それは自分もだが)ふいにそんなメールが届いた。
いつだったか、桜が好きだと、そう十四郎に話した事がある。
そんな些細な事を、覚えていてくれたのかと思うと妙に嬉しく。
なんとか仕事を片付けて、地球へと帰ってきた。
何も考えず急いで戻ってきたので、まあこんな時間な訳で。
眠る十四郎の頬へと、そっと触れた。
じわりっと、愛しさが込み上げてくる。
「…ただいま、十四郎」
「……ん…」
緩く十四郎の目が、こちらを見た。
「…すまん、起したか?」
そう問うても返事はなく、ぼんやりと寝ぼけ眼で、こちらを見ている。
…ああ、はや、可愛いのぅ。
鼻先が付く位、至近距離で十四郎の顔を覗き込むと、頬やおでこ、そして、唇に触れる様なキスをする。
そっと顔を離すと、寝ぼけていた十四郎の目が、ゆっくりと焦点を合わせた。
「おはようさん、十四郎」
「……っおま……!!!」
がつんっ
勢いよく起きた十四郎とわしの額が、鈍い音を立ててぶつかった。
「…あいたぁ~、んな飛び起きんでも…。一瞬火花が見えちゅうよ」
「…っ痛てぇ…。つうか、お前何で…」
「ん?桜が咲いたっメールくれたろう、十四郎」
「…まさかそれで…」
「前にわしが桜が好きじゃ、ゆうてたの覚えててくれたんろう?
はや嬉しうてのう。十四郎に会いたうて、しょうがのおなったから」
そう言うと、十四郎がふっと苦笑した。
「…馬鹿だな、お前」
「ほがなことないよ?」
「とんでもない馬鹿だよ。で、何時だ今」
「んん~、朝の五時ぐらいかの?」
「……。なんつー時間に帰ってくるんだ…」
「アハハハ。はよぅ、会いたかったちや」
「はぁ。…とりあえず寝かせろ、俺ぁまだ眠い…」
そう言うと十四郎は、ぼふっと音を立ててわしの肩口に寄り掛かった。
眠たい所為か、常より少し高めの体温をゆるく抱きしめる。
「なあ、十四郎。花見行こうなぁ」
「起きたらな…」
余程、眠かったのだろう。
腕の中からすやすやと安らかな寝息が聞こえてきた。
暫くそのまま抱きしめていたら、温かい体温と寝息につられ、ふぁ~と、あくびを一つ。
十四郎を布団へと寝かせると、一緒に布団へと入り再び抱きしめた。
空けた空は、綺麗な青空。
…ああ、今日もいい天気になりそうじゃ。
そんな事を、ぼんやりと思いながらゆっくりと眠りへと落ちていった。
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その時々に、萌えてるものを
吐き出してます。
マイナー嗜好。
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坂土が広がればいいと全力で思います。
関東圏の人間なので、坂本さんの言葉がいろいろおかしな事になってるかと思いますがスルーして頂けると助かります。
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